「ダイビングをしてみたいけど泳げないから無理でしょ?」「ダイビング中に何かあったら泳げないから怖いな」そんな風に思って、ダイビングを始めることを諦めている人も多いのではないでしょうか。しかしダイビングは泳げない人でも楽しめます。もちろん、泳げるに越したことはないですが、泳げないこととダイビングができないことはあまり関係ありません。
今回は泳げない人がダイビングを楽しむために知っておくべきことを紹介します。泳げないことでダイビングを諦めてしまっている方は、ぜひ参考にしてください。
ダイビングは泳げない人でも楽しめる!
結論から言うと、泳げない人でもダイビングは楽しめます。実際に泳げない人でもダイビングを楽しんでいる方はとても大勢いるので安心してください。
ダイビングのライセンス(Cカード)を取る際は、簡単な泳力テストがあります。条件は指導団体によって異なりますが、決して難しいものではありません。ウェットスーツやシュノーケル、フィンを装着してテストする場合も多いので、基本的な体力がある方であれば、泳げなくてもダイビングに参加できます。
泳げない人の人ほど安全意識が高い
泳げない人は、泳げる人と比べて不安を抱えやすいです。ダイビング中は余計な不安を抱えないほうが楽しめますが、かといって不安が全くなくても危険に繋がります。
泳げない人は不安がある分、安全意識が高く、インストラクターの指示にも従う方が多いです。そのため結果的に安全なダイビングに繋がるのです。泳力が十分ある人ほど、自分の力を過信し、「これくらい大丈夫だろう」とルールから逸脱した行動をしがちです。その結果、思わぬ事故につながりかねません。泳げないことからの適度な不安が、実はダイビングを楽しむうえでポイントとなるのです。
泳げない理由とダイビングでの対策
泳げない理由はさまざまですが、大きく分けると
・息継ぎができない
・体が浮かない
・前に進めない
・水が怖い
以上の4つが主になります。
「水が怖い」以外の理由であれば、ダイビングができない理由にはなりません。なぜ泳げなくても大丈夫なのか、それぞれ詳しく解説していきます。
息継ぎができない
泳げない理由で1番多いのがうまく「息継ぎ」ができないです。うまく息継ぎができないと、呼吸ができないですし、水を飲む可能性もあります。当然苦しくなって泳ぐどころではなくなります。
しかし泳げない人も、ビート板を使えば泳げるという人がほとんどでしょう。それは常に頭が水面から出ていて、息継ぎの必要がないからです。
ではスキューバダイビングはどうでしょうか?背中にタンクを背負って、そこから出る空気を吸うことで水中でも呼吸ができます。つまり息継ぎの必要はありません。そのため、泳げない人でもダイビングが楽しめるのです。
体が浮かない
泳ごうとしてもうまく体を浮かせることができず、前に進めない=沈んでしまうのも泳げない理由の1つです。人間の体は本来、力を抜いて水面に浮けば自然と数%は水面から出るとされています。ところが泳げない人ほど無駄な力が入ってしまい、沈んでしまうのです。
しかしスキューバダイビングでは基本的に浮く必要はありません。水面で浮いて待機するような時間もありますが、その場合はBCDという機材に空気を入れると浮き輪のようになるので何もしなくても浮けます。
またダイビングをする際は基本的にウェットスーツやドライスーツなど保護スーツを着用します。このスーツ事態に適度な浮力があるので、その状態で海に入れば自然と体が浮くので問題ありません。
泳いでも前に進めない
クロールや平泳ぎをしてもうまく前に進めないという方もいます。バタ足のフォームが悪い、手と足のバランスが悪い、脚力がないなど理由はさまざまです。しかしスキューバダイビングではフィン(足ヒレ)を着用するので、少し足を動かすだけで簡単に前に進めます。手で水をかくこともないので、バランスもとりやすいでしょう。最近では科学的に軽い力でも強い推進力が得られるフィンも開発されています。実際、お年寄りの方でもスイスイと水中で泳げるほどですので、水泳で前に進めなくても問題ありません。
またダイビング中は常に泳いでいるわけではありません。生き物を観察したり、水中写真を撮ったりする時間も長いです。「25mプールを泳ぎ切る」というようなハードルもなく、仮に水中を移動中であっても、上手くいかなければ立ち止まればよいだけですので、それほど心配しなくても大丈夫です。
水が怖い
そもそも水が怖いという方もいます。過去に溺れた経験などから水に対する恐怖心が強く、泳ぐどころか水に入るのも怖いという方もいるでしょう。
この場合は正直なところダイビングは厳しいかもしれません。まずは顔を水に浸けるという段階から徐々に恐怖心を取り除くことが必要になります。もしも水が怖いけどダイビングをしてみたいと思う方がいるのであれば、それをきっかけにぜひ水に慣れるところから始めてみましょう。
泳げない人が安心してダイビングを楽しむ方法
いくら泳げない人でもダイビングができるといっても、不安がなくなるわけではないでしょう。適度な不安であれば却って安全に繋がりますが、極度の不安ではストレスとなり楽しめないどころか危険にも繋がりかねません。
そこで、泳げない人がダイビングを楽しむためのポイントやコツを紹介していきます。
信頼できるお店・インストラクターを見つける
まずは信頼できるお店やインストラクターを探しましょう。泳げないことや不安をしっかりと理解してくれ、親身になってサポートしてくれるインストラクターと潜れば水中でも安心できるのではないでしょうか。
そのためには、しっかりとリサーチした上でお店を決めましょう。現代は口コミサイトやSNSなどで簡単に情報が集まりますので、自分に合いそうなお店を選んでください。少し手間かもしれませんが、実際にお店に伺ったり、電話で話をしてみたりするとスタッフやインストラクターの人柄も分かるのでおすすめです。その際、「泳げないから不安」ということを正直に話してみてください。そこでしっかりとアドバイスをもらえたり、寄り添った対応をしてもらえたりすれば安心できるお店なのではないでしょうか。
また少人数制のお店を選ぶのもおすすめです。インストラクター1人が見るダイバーが少なければ、その分細かなサポートをしてもらえます。
スキルの練習をする
泳げない人は、万が一トラブルがあった時のことを考えるとどうしても不安になります。そこで、少しでもトラブルのリスクを減らすために、スキルの練習をしておきましょう。
ダイビングショップには、リフレッシュコースや初心者向けのコースが用意されています。それに申し込んで苦手なスキルを練習するのがおすすめです。特にマスククリアやオクトパス(予備のレギュレーター)の使い方を練習するとよいでしょう。
スキルアップして自信がつけばストレスも減り、よりダイビングを楽しめます。
泳ぐ練習をする
泳げなくても楽しめるダイビングですが、もちろん泳げるに越したことはありません。
ダイビングを始めることをきっかけとして、プールに通って水泳も始めるのもおすすめです。少しでも泳げるようになれば不安も減るはずです。また水泳といっても速く泳げるようになる必要はありません。現状よりも少しだけ泳げるようになる、水に対する抵抗が減れば、ダイビング中の不安やストレスも減ります。
まとめ
ダイビングは泳げなくても楽しめるということを紹介しました。
多くの人は「ダイビングは泳げないといけない」と勘違いをし、初めから諦めてしまっています。泳げなくてもダイビングはできるので、諦めてしまうのは非常にもったいないです。興味があるのであればぜひチャレンジしてみましょう。これを機会にぜひダイビングを始めてみてください。