「コンタクトレンズをしているとダイビングはできないのかな?」「コンタクトレンズなしだと水中で何も見えないのかな?」そんな疑問を抱く初心者ダイバーの方も多いと思います。中にはコンタクトレンズをしているからと、ダイビングを始めることを諦めている方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、コンタクトレンズをしていてもダイビングは楽しめます。もちろん、ダイビング中に気を付けるべきことはありますが、難しいことではありません。そこで今回は、コンタクトを使用したまま潜る方法や、その注意点などを紹介します。
目が悪い人がダイビングを楽しむ方法
目が悪い方がダイビングを楽しむためには3つの方法があります。
・度付きのマスクを使用する
・コンタクトレンズを使用する
・裸眼で潜る
この3つの方法について、それぞれの違いや、向いている人などについて解説していきます。
コンタクトレンズで潜る
コンタクトレンズをしたうえで、通常のマスクを装着してダイビングすることが可能です。「水中でコンタクトレンズが外れてしまうのでは?」と思う方もいるでしょう。しかしダイビング用のマスクは、目と鼻を覆うように装着し、小さな空間ができます。その空間は空気が満たされているので、コンタクトレンズをしていても問題がないのです。いくつか注意点もありますが、普段からコンタクトレンズを使用している方におすすめです。
度付きマスクで潜る
度付きのマスクは名前の通り、ダイビング用のマスクに度付き=視力補正レンズが付いているものです。各度数のものが用意されているので、ご自身の視力に合わせたマスクを選んで潜りましょう。普段から眼鏡をしている人や、コンタクトレンズに抵抗がある人は度付きマスクがおすすめです。
デメリットとしては、通常のマスクに比べて高価なこと。そしてレンタルの場合、自分の視力に合ったものがない可能性があることです。
裸眼で潜る
コンタクトレンズも度付きマスクも使用せず、裸眼で通常のマスクを装着して潜る方も多いです。実は、視力が0.3以上あれば裸眼でも問題なく潜れます。それは、水中では光の屈折の関係で、物が約1.3倍に見え、距離も約4分の3近くに見えるからです。この現象により、裸眼でも眼鏡をかけているのと同じような状態に近くなるので、裸眼でもダイビングが楽しめます。小さな生き物を探したりするには不便ですが、水中風景や適度な大きさの生き物を見るには苦労しません。もちろん、視力にもさまざまな症状があるので、一概には言えませんが、視力が0.3以上あれば一度裸眼で潜ってみてはいかがでしょうか。
ダイビングでコンタクトレンズの特徴と海での使用メリットとデメリット
ダイビングでコンタクトレンズを使用して潜る場合、当然ながらメリットとデメリットがあります。それぞれ紹介しますので、参考にしてみてください。
メリット
コンタクトレンズを使用してダイビングをするメリットは、普段の生活の延長線で潜れること、そしてしっかりと視力が確保できることです。
度付きのマスクや裸眼で潜る場合、陸上では眼鏡をかけ、潜る前に眼鏡を外すことになります。しかし環境によっては眼鏡を早めに外す必要があることもあります。器材のセッティングや確認をするとき、足場の悪い場所を移動するときなどに視界がぼやけると非常に危険です。またダイビング前に眼鏡を外して安全な場所に片付ける、反対にダイビング後に眼鏡を探すなど手間がかかります。
しかしコンタクトレンズをしていれば常に視界が確保できますし、脱装着の手間もありません。そして普段コンタクトレンズをしている方は、特別なことをしなくても良いので、ストレスが軽減されるメリットもあります。
デメリット
デメリットとしてはまず、水中で外れてしまうリスクがあることです。マスククリアをしたとき、マスクが外れてしまったときにはコンタクトレンズが外れてしまう可能性があります。コンタクトレンズが外れてしまったからといって即危険にさらされるわけではありません。しかし視界がボヤけた状態では大きなストレスを抱えることになります。普段コンタクトレンズをしていない方は、コンタクトレンズをしているだけでストレスになる可能性もあるでしょう。
また水中にはさまざまな細菌類や汚れがあります。マスクをしていても、目には少なからず海水は付着するので、細菌なども付着する可能性があり、衛生面でやや不安になります。
ダイビングにおけるコンタクトレンズの適切な選び方
ダイビングをする際のコンタクトレンズは1day(使い捨て)のシリコーンハイドロゲルがおすすめです。
まずダイビング中に使用したコンタクトレンズは、海中の細菌や汚れが付着している可能性があります。そのまま使用し続けると目を傷つけるなど、衛生的に良くないので、ダイビング後に取り換えられるのがよいでしょう。
またマスクが外れるなどして、何かの拍子にコンタクトレンズが水中で外れる可能性もあります。その場合、2weekタイプなどを紛失するともったいないと感じる方も多いのではないでしょうか。気分的なものではありますが、ダイビング後に使い捨てると割り切った方がおすすめです。
またダイビング中は体の水分が不足しがちです。当然ながら目も乾きやすくなります。シリコーンハイドロゲルタイプであれば、レンズが乾きにくいので、目に優しいと言えます。水中では少しでもストレスを減らしたいので、ぜひハイドロゲルタイプを使用してみてください。
コンタクトレンズを使用したダイビングの注意点
コンタクトレンズを使用してダイビングする際の注意点を紹介します。特にコンタクトレンズが水中で外れないように潜ることが大切です。
マスククリアの回数を減らす努力をする
コンタクトレンズをしている場合、マスクに水が入ってくるとコンタクトレンズがズレたり、外れたりする可能性があります。しかしインストラクターであってもダイビング中にマスクに水が全く入ってこないことは少ないです。初心者の方であれば、より水が入る可能性が高いでしょう。そこで、極力その回数が少なくなるようにすることが大切です。
具体的には、
・サイズのあったマスクをする
・マスクに髪の毛を挟まない
・口呼吸を意識する
以上のようなことを注意しましょう。レンタルのマスクでは自分に合ったものがなかなかなかったり、程度の悪いものがあったりするので、自分のマスクを購入するのもおすすめです。また髪の毛が挟まっていないか、事前にバディやインストラクターにしっかりと確認してください。
マスククリアをマスターする
マスクに水が入ってきてしまったら、素早くマスククリアをして水を排出する必要があります。初心者ダイバーの方にはマスククリアを苦手としている方も多いので、しっかりとマスターしておきましょう。水が入ってきたと感じたと同時に流れるようにマスククリアができるようになっていれば完璧です。不安な方は度付きレンズもしくは裸眼で潜った上でしっかりと練習しましょう。
コンタクトレンズが水中で取れた場合の対処法
水中でコンタクトレンズが外れた場合は、基本的にはインストラクターに伝えましょう。裸眼で全く見えない場合はすぐに浮上することになります。
視力がそれほど悪くなく、裸眼で問題ない場合はそのままダイビングを続行することもあります。しかしその時の海況などによりインストラクターが浮上すべきと判断する可能性もあるでしょう。いずれにしても自分で判断するのではなく、素直にインストラクターに伝え、判断を仰いでください。
インストラクターに伝える場合、「コンタクトレンズが外れた」というハンドシグナルはありません。目を指さして異常を伝えれば大抵は伝わります。不安な方はダイビング前にインストラクターの方に相談し、どう伝えるのか確認してください。
まとめ
コンタクトレンズを付けてのダイビングについて解説しました。
コンタクトレンズを付けてのダイビングは問題なくできますが、注意すべき点やデメリットもあります。それを踏まえた上でダイビングをしましょう。また不安な方は事前に眼科の医師に相談してください。人によってはコンタクトレンズを装着しないほうが良い場合もあるので、専門家の意見に耳を傾けましょう。
いずれにしても、「目が悪いから」「コンタクトレンズをしているから」と理由でダイビングが出来ないことはありません。ダイビングを諦めていた方も、これを機会にぜひダイビングを楽しんでください。